ビブリオゲームズBlog

自作ボードゲームや遊んだボードゲームのことを書いていきます

年間千アイディアチャレンジ(ボードゲーム案出し)1月目

 『しょうもない事でもいいから1日3個ぐらいゲーム案を出す』年間千アイディアチャレンジを現在実行中です。ボードゲームの製品化を断って以来やる気がしない⇒コロナで何もできていない時期が続いているのでとりあえず動いてみようと。

 

 残り330日程あるんでまだ大丈夫ですが、仕事の繁忙期も考えるとこれ以上は休めないなぁという状態です。学生時代(失敗)、社会人1年目(達成)、2015年(東京ドイツゲーム賞集中のため中断)に続き確か4回目なんですが、やはりブランクと1人でやっているのが災いしてますね。なんかお題とかあったらブログでもTwitterでも言っていただけると助かります。

 

 なお、『ぱくられるんじゃない?』という心配の言葉を前回いただいたので一応書いておきますが、特に問題ないと思っています。パクる人がいたとしても製品化しているゲームからやった方が早いですし。

 ただの案出しなんでアイディアの権利主張するつもりもないです。当たり前ですが、1000作品作る気はないので。逆に以前にそのようなゲームがないか確認するようなことも現段階では基本的にしていません。ただのTweet一回で権利侵害しているという事もないと思うのでこちらも問題ないと思っています。

 

  書きっぱなしもどうかと思うので、いくつか気に入っているもの、反応がよさそうだったものに対していくつか追記していきます。(ホントは誰かと一緒にやって定期的に感想を反応送りあうのが能力アップ的にもモチベ維持的にもいいんですが)

 140字では専門用語やゲーム名の説明を抜いてもアイディアに至った経路までは説明できないので補足メモとして残しておきます

 

 隔週で金曜夜に開催されている暗黒ゲームデザインの会で自分が言った『ワカプレでまだプレーヤーに提供しきれていない価値(なぜそれが欲しいか)って何があるか?』に対する答え。”位置関係”ってまだやりようがあるなと思って出した案です。2人用タルギから着想してそこから離していった感じ。あとワカプレのボードにしては見やすく、かつ機械的じゃない見た目にできそうな気がしています。

 

実際に試作。処女作をファイルという特殊なコンポーネントで作った時に感じた『コンポーネントのできる動作によってメカニクスを拡張できる』、『そもそも動かす時点で面白いことは長所』という感覚から。ファイルをめくる動作の時点で好きと言われた成功体験と特殊すぎて再販難しいものはやめた方がいいという失敗体験が出ている感じ。ある意味で自分らしい案。

書くことをメインにせず、コントローラーとして割り切るならこっちもありかな。

 

 BGAで定期的に開かれている紙ペンコンテストを意識した案。審査員賞ではない事で1人でできる事+グラフィックが良いことがある程度コンテスト上位になっているなぁという印象だったので。インタラクションは考えない+グラフィック用意できないのを伝統文様や家紋ならフリー素材で十分きれいにできるだろう+和のモチーフ英語圏の人間との差別化という対策。テストしてみたけれど変換効率が急に上がりすぎて使いづらい印象。

 

案1と同じスタート地点から。『競りにまだかけられていない価値は?』に対する答え『商品情報』の具体例。いくつか前例はあるんですが、価値に対する情報が不均等な状態の競りはまだまだ開拓が進んでいない気がします。1位2位が商品を取るのはムガルから拝借

 

何から始めればいいかわからず全く着手できず。誰かこういうの好きな人が作ればいいかな。立体的な思考が苦手なので僕は無理です。動画がついているのもありますがこれが最もフォロワーの方の反応が多かったようです。

 

ワカプレで提供していない価値=逆に人数の減少。人数を増やすという価値はもうやりすぎているのでその逆に価値を出したいと思って考えた案。戦略の選択に加え、質か量かという2軸になりそうで個人的には試してみたい。

 

ワカプレで提供していない価値=位置関係の別案。位置関係の方をゲームの中心に据えたかった。改めてみると設定が謎。なんだ使い魔がドッペルゲンガーって。

 

 昔から考えている案を改めて考えたもの。電子決済の方が多くなっている今、”お金ってなんだっけ?”という世界観を出すなら今かなと。いかんせん地味だけどちょっと好き。多少、この後進んだのですが『お釣りとして払うコインが少しでも足りない場合、完全に踏み倒してよい』という未来人の解釈でやる必要がある事がわかりました。まぁ、現代人が文献に書かなかったからとか言えば通るかな。

 

 マンカラ好きですね。前に千アイディアやった時に比べてマンカラベースのボードゲームの数が増えてしまったので差別化を。アクション選択ではなくリソース獲得部分にして差別化しようとした案です。

 

 何度か失敗している案。LCG(TCGっぽいボドゲ)はTCGの違いは除去の無さによるカード効果の地味さだと思っているので。一度成り立ったコンボをどう崩壊させるか?どう成立させないか?という仕組みを入れて派手な効果を入れようという意図。ただこれトリテ好きの需要とは全くあっていないという

 

 天九牌亜種。UI良くすればやる人多いと思うんですよね。

 

 思いつきだったんですが、結構反応が良いのがこの2つ。僕が1人用や協力ゲームを軽視しすぎてるのはあるかも。

 

 競りでまだ扱っていない価値。この時は奇数偶数で分けてますがこれはダメですね。(一回勝った人がそのまま勝ってしまうので)。前半後半でカードを分けて割合を前半は商品を取るのが多めにしておくのが正解かなぁ。

 

 ミステリーでよくある探偵役が精神病だったというやつ。ちょっとやってみたい。ある事ではなくないことに気付けるか。探偵役を慕うキャラクター(実は存在しない)が①彼の登場するカードがない②彼の初期に持っているカードに登場するがそのカード全てがおかしい(部屋にかかっている時計が違うとか)③誰も彼と会話をしていない とかそんな手がかり?

 楽しめる人が1人にならないように本当に事件も起こっていないといけない。事件が発覚したくない犯人陣営、存在していないことに気付いてほしくない”幻影”陣営。治ってほしい医者-探偵陣営。最初に作る作品ではないけど好き。誰か作って。(俺がマダミス作ったらみんなこの案かどうか疑心暗鬼になりそうだね。それ目的で普通のまだミス作ってやろうか)

 

 個人的に行ってみたい世界遺産。ゲームにはしやすい方だと思って案だけはずっとある感じ。

 

 正直、ハウスルールの範囲ですが。10面ダイスで実際にやってみた方がいらっしゃるようで。降り直しも能力にしてしまえば時間も短くできる気はします。

 

 連鎖ってわかりやすく気持ちいいの具体例。あと連鎖ってリニアコンボ(明示的なコンボ)とモジュラコンボ(非明示的なコンボ)の間のような性能になりうると思うんですよね。派手で数がカウントできるからティミーに受けて、創発的な事が起こるようにできるからジョニーにも受けるものができたらなという妄想。 あと、コロナもあってパンデミックがぱっと思いつく日が多いですね。

暗黒ゲームデザインの会の後にメカニクスを分類してみた

 2/19の暗黒ゲームデザイン会 テーマ:『メカニクスを分類する』

話者のお二人以外にも 私を含めて5人の人が考えを提出して、それに対して質問しながら、皆が思ったことを言う会となっていました。

 

 


【暗黒ゲームデザインの会】メカニクスを分類する

 

 ただ、正直1時間という枠の中では 意見を聞く事も伝える事も難しかったところがあります。

 正直他の人の意見(特に話者以外の4人)に関して正しく理解できている自信がないので 理解できた範囲で影響もうけながら 分類をしてみました

<前提としての補足>

僕が思っている以上に伝わりにくい状態になっている気がしました。

もう一度聞いてみたところ 言葉の定義 / 目的 / 実際にやったことが全部違っていたようです

 

<言葉の定義の違い>

 ・ゲーム

   私   :人間の行動の≒ゲームプレイ(1セッションに依存しない)

  他の方  :(違うかもしれませんが)製品、器械

 

  どうも少数派の気がするので、この記事では前者をプレイ、後者をゲームと言います

 

 メカニクス

    私:有用であるため”名前を付けたくなる”ルールの集合体

       (命名の動機がゲームデザインか攻略のための議論かは問わない)

      正直、つけたくなるかは私の主観のためあいまいでふわふわしている

 

 ”上杉さん:有名(≒有用?)であるかは関係ない

 

<目的の違い>

 

話者のお二人

 ・メカニクスの分類をすることで 代替可能なものをリストアップする

 ・メカニクスというパーツを使ってゲーム(製品)を作りたい

 

 ・分類や役割のリストアップをすることで新しいメカニクスの可能性を探る

 ・メカニクス候補を作りたい。有用かの判断もかねてゲームもまぁ作らなくはない

 

 

<行ったこと>

 他の方:メカニクスの分類のリストアップ

 私  :メカニクス分類するための メカニクスが持つ”変数”や取りうる値のリストアップ

 

会の後で分類をしてみた

皆さんの考えも参考にしつつ一旦の分類を考えてみました。

 

 基本的には『人間に”ゲーム”という行動させるためには何が必要なのか?』という疑問から

 

A 司会進行

B 意思を結果に反映する

C 目標設定

D モチベ保持(敗北や勝利を確信して諦め/飽き させない)

 

以下の4つの要素を設定し

以下のようにまとめました。

 

A 司会進行

  小分類:終了条件

  小分類:ターン/フェーズ/ラウンドの進行

  

 

B 入出力

  プレーヤーの意思の入力から処理、結果の描画まで

  例)ワカプレ、ドーン歩き、カードピック

 

C 目標

  C1小分類 パフォーマンス工夫

     マジョリティー/セットコレクション

     コンボ系全般

 

  C2小分類 スケジューリング工夫

     例)相手より早く/遅く系

       〇〇アクションを打つ前に××したほうが良い

       

       小分類:拡大再生産

          小分類 締め切りまでに

          小分類 〇〇アクションをうつまでに

 

D 救済/足枷

  フィードバックループを整える

  (今、勝っている人と負けている人の期待感のバランス調整)

 

 

 

番外 複合メカニズム

  最小単位ではない。メカニズムが集まってできた大きなメカニズム

  例)デッキ構築

    カードピック(入出力)+拡大再生産(目標)+構築済みデッキ(乱数)

 

 

『メカニクスを分類する』が次の暗黒ゲームデザインの会のテーマらしいので

 

 

との事です 。

前回の拡大再生産の会↓が面白かったので今回も視聴する予定なのですが、放送で話者である上杉さん、arsenicさんの考えを聞く前に自分の考えをまとめておきたかったので文書化してみました。

(というより話題が大きすぎて事前準備しないと聞ける気がしない^^;)


【暗黒ゲームデザインの会】拡大再生産

 

前振り:この記事におけるゲームのとらえ方 と 方針

 

ゲームは少なくとも『人間が起こす一連の行動』の一つです

そのため、小さく区切っていくと”車の運転”等の他の行動と同じように以下のようなループが発生しています

 

(①記憶)↘

        ↑①認知→②判断→③操作➡(④反応)➡①認知に戻る

 

私はルール(やその集合体)にわざわざメカニズムとしての名前が付与されるとき、

このループのどこかで重大なあるいは複数の役割を果たしていると考えています。

 

そこでいきなりメカニクスを分類するのではなく、

1.まず、メカニクスの”役割”になりうる事をリストアップして分類する。

2.メカニズムに”持っている役割”を記載し、似ているものをグループにまとめる

(3.流行っているメカニズムの特徴から新しいメカニズムの発見やより良い改造が行うことを目指す)

 

という方針で話を進めていきます。

(時間の都合上、この記事においてはほとんどを1.の”役割”の分類に費やしています)

 

また、”ゲーム”の範囲は 会に合わせボードゲームに重点を置いていますが、デジタルゲームや謎解きゲーム等も頭の片隅には入れており

 

想定される役割

ゲームには解くべき”課題(目標)”が必要である。

そこに重点を置き、”役に立つ” を一旦以下のように分類する。

 

・課題となる

・補助する(≒他のStepに課題を置き、そこに集中できるようにする)

・課題ではないが魅力となる

 

対応するStepを大分類、上記3つの”役に立つ”を中分類、そこから思いつく具体的な内容を小分類として以下のようにまとめました。

 

1.”認知/記憶”において役割を持つ

 ※ゲームのルール自体も認知、記憶しなければならない対象としてとらえる

 

  1-A 認知/記憶の課題となる

    1-A-1 記憶できていないから答えがわからない

      例)記憶ゲーム全般

 

    1-A-2 知識がないから答えがわからない

      例)クイズゲーム全般

 

    1-A-3 ルールがわからないから答えがわからない

      例)ハグル、OWACON、問わず語りシステム等

 

    1-A-4 情報だと認識できないので答えがわからない

      例)リアル脱出ゲームのラスト謎で”これ使うんかい!”ってなるアレ

 

               1-A-5    わかりにくいUIを識別する能力を競う

      すきもの、

      青←あおと読まないといけない 等

    ※ここに分類されるか要件等

    

  1-B 認知/記憶を楽にし、他のステップに集中させる

     1-B1 視認性がいい

     1-B2 ルールの整理

     1-B3 ゲーム中に起こりえる選択肢の可視化

      ドミニオンのカードは全部、常に読めるので覚えなくてもプレイ可的な

 

  1-C 課題ではないが認知/記憶において魅力を持つ

     1-C-1 ゲームの進行に合わせて何かが完成する。

       例)枯山水の自分の庭。カルカソンヌの全体等

 

     1-C-2 人の作品を鑑賞する

        お題を出す側から見た 大喜利ゲームとか?

 

2.判断において役割を持つ

  2-A 判断において課題となる

   2-A-1 だから答えがわからない

   2-A-2 対人インタラクション(相手の考えが絡むから答えがわからない)

   2-A-3 非公開情報があるから答えがわからない

   2-A-4 長期計画が必要なため答えがわからない

   2-A-5 複雑なため答えがわからない

       ・変数(資源の種類等)が多い

       ・複数を選択するため組み合わせ爆発が起こる

   2-A-6  時間制限のため答えにたどり着けない

   2-A-7  判断というか”センス”や創作性を問われる

 

  2-B 判断を少なくする事で他のStepに重きを置く

    (デジタルゲームだとありそう)

 

  2-C 課題ではないが判断において魅力を持つ

     (思いつかない)

 

3.操作に関して

  3-A 操作において課題となる

   3-A-1 精密さ、技術を問われる

      バランスゲーム/お絵描きゲーム

   3-A-2 体力、スタミナを問われる

      ボドゲだと基本無い

  3-B 操作をしやすくし、他のステップに集中できる

 

  3-C 課題ではないが操作に魅力を持つ

 

4.ループの連続の中で役割を持つ

  4-A ゲーム中に選択の変化、拡張が可能

  4-B テンポがよくなる

  4-C 物語を感じる

 

5.その他

  お値段の問題とかそういうやつ。

 

 

<あとがき>

 メカニクスに関する考察は今まで何度もしてきましたが、昔書いた記事がもう4年ほど前になっていたためこの機会にまとめてみました。

 

boardgame.hateblo.jp

今見ると、課題に関する部分に重点を置きすぎている気がします。

 

ここ10年以上重いゲームの中心にあるワーカープレイスメントを見ても

 ・”認知/記憶”における補助

   ・行えないアクションがわかりやすい(駒が置いてある)

   ・いろいろな効果のフォーマット化

     (どんな効果もやりたいことを選んで”ワーカーを置く”で説明可能)

 

 ・ゲームの流れを変更しやすい

   ・ゲーム中の選択肢の拡張が比較的容易

 

 ・判断における課題

   ・インタラクション

   

   また、メカニズム自体が持つ課題ではないが上記のフォーマット化と拡張性による”複雑だから答えがわからない”という課題を自在に搭載可能

 

という効果を兼ね備えているように思います。

 

まだ、メカニクスの分類はこれからですが

ゲームの大枠となるメカニズムには

 

・認知/記憶の補助

・少ない数の判断の課題

  ワカプレの場合 インタラクション

  ロンデルの場合 長期計画

・複雑な問題を付与できる拡張性

 

といった特徴を持った集団があるような気がしています。

つまらなさに邪魔されないために

初めまして、BiblioGames 古瀬 和人と申します。 

この記事は「Board Game Design Advent Calendar 2018 22日目の記事となります。

 

何故”つまらなさ”の話をするのか?

  ”つまらない”。あぁ、なんてネガティブな言葉だろう。最も言われたくない、言いたくない言葉かもしれない。正直、クリスマス前に僕は何を書いているんだと。

 

 それでもまぁ、記事のテーマに選んだのは、ゲームを作る上でこの言葉とのいい距離感が大事だと感じるからだ。ゲーム作りのままならなさの一つはつまらなさと面白さは別パラメータだと思っている。面白さを突き詰めるだけでつまらなさが消えてくれることはないし、つまらなさを消していくだけで面白くなるわけじゃない。

 

 良いものを作ろうと思ったら、”面白さ”を信じる事と”つまらなさ”を疑う事を両方しなきゃいけない。魅力をきちんと理解してそれを阻む要素を消して行かなきゃならない。テストプレイで遭うネガティブな感想は(それが人から言われたのであれ、自分が感じてしまったのであれ)自分の信じた”面白さ”と敵対するものじゃ決してない。自分の信じた面白さが人に伝わるのを妨げるものを取り除くきっかけになってくれるものなんだと思う。

 

 そして、ゲームの魅力、目指す地点というのはそれぞれ違うが、避けた方がいい状態はある程度同じである。核となるアイディアと違い、消費することもあまりないし、1度身に着ければずっとついてくる。 初期プロトタイプを少しでも良い状態へ向かわせるためにどういうつまらなさとそれを回避するために考えられる方法を思いつく限り書き連ねてみました。あなたの信じた面白さが伝わるための一助となれば幸いです。

 

 

落とし穴1 ”繰り返し”ってそもそも退屈

  ボードゲームはターンやラウンドの繰り返しでできている。ここにもう初めて作るゲームが面白くない原因の一つが眠っている。人間、同じことを何度もやると飽きてしまう。

 

ではどうするか?

考えるべきポイントは大きく以下の2つがあると思う。

 

①尺を考える

  ゲームにおいて短い時間でプレイできることは武器である。狙った面白ささえ表現できているのなら、変に欲張らず短くした方が良い。

 

 また、決着がついたとプレーヤーが感じるころにはゲームは終わり時である。そのタイミングがいつになるかはルールが”現状の勝者”と”現状の敗者”、どちらに味方をしているかに影響を受ける。

 例えば拡大再生産は勝者に対する追い風なので、適切なラウンド数は短くなりがちである。長時間ゲームにも拡大再生産要素の濃いものはあるが、ラウンドは短くなっていたり、あるいは勝利点がぼかされていて誰が勝っているか見えにくくなっている。

 

 

②飽きないように毎回変える

 最も単純な方法はイベントカードや新しいアクションの解禁であるが、それ以外にも目立たないよくある方法は多数存在する。

 

例1

 簡単な競りゲームを作るとしよう。毎回競りにかけられる商品がずっと同じではゲームは完全な繰り返しだ。『5金くらいかな?』 と1回結論が出たら ずっと5金というだけ、これでは簡単ではなく退屈である。

 だからといって全部ユニークにすると把握が大変だ。

このようなケースの場合、最もよくある方法はセットを作る事だ。単純に2種類のものをセットで販売してもよいし、順位に応じて渡すものを変えてもよい。

 

例2

よくある木や石といった資源を採った後、建物を建てるゲームを作るとしよう。

資源の獲得数と必要数が同じだったら一体何が起こるだろうか?

 

状態A⇒①資源を採る、⇒②建物を建てる⇒状態B

という流れになったとしよう。

状態AとBでは建物1個を除き同じ状態になってしまっている。何回繰り返しても建物が一個増えてそれ以外何も変わらない。

 

では倍数ではない数ならどうなるか?当然、資源の残り個数が変わっていく。

残り木1本が足りない時、『木3本』と『資源何か一個とスタピー』はどちらが良いのだろう?とか

今回は建築の前にもう一度、資源を採ればよりいい建物が建つなぁ。どうしようか?

といった状況を引き起こす。

 

だから、資源の獲得数や必要数は素数や2の乗数が多く使われる。3,4,5あたりが特に。最大公約数が1になる小さな数を選んでいるのだろう。

 

 

落とし穴2 ”情報の整理ができていない”

   4年前の記事にも書いたが脳は5~9本の手を持っている。もちろん実際に手が生えているわけではなく、脳が最も活発な世代でも5~9個の塊を処理するのが限界である。という意味である。そして、人間は扱える塊の数が増えるのではなく、塊の大きさが大きくなる形で成長する。例えば英語だと、初学者は一個の単語や習いたての文法を理解するのに手を1本使ってしまうが、慣れてくるにつれてより大きい範囲を一個の手で把握できるようになる。

 

 ゲームに慣れていない人に合わせるのなら、当然、小さな手でも持ちやすくすることが重要だ。例外処理の多いルールや不必要なパラメータ、直感的でない処理、聞いたことのない専門用語はゲームを非常に持ちにくくする。

 また、順を追って教えていくという方法もある。アクションを一個ずつ解禁したり、最初の1ラウンドや中間決算までの価値を低く設定し、慣れてもらったりする。

 

 ゲームに慣れた人とゲームに慣れていない人を一緒に遊ばせたいのなら、慣れていないプレーヤーの思考の外を利用する。ゲーム慣れしているプレーヤーほど

 

①1動作で2個以上のパラメータをいじった時、両方意識できる傾向にある

②より、長期/中期的な展開を考える傾向がある

③より多くの隠されたコンボや相性を見抜く傾向がある

 

という傾向にあると思われる。

 

 例えば、有名どころでドミニオンの最初のゲームを見てみよう。、10個枚のサプライと、勝利点、お金のカードがある。購入する1枚を何にするかは(買える範囲で最大の価値を持つ)勝利点とお金を加えた、12択の選択肢を持っている。

 このゲームを『長期的な最適手をうつ』というスタンスでプレイした場合、手1本につき1選択肢では足りていない。コンボや相性まで把握すればなおさらである。12の選択肢やその関係性を整理することがまず求められる。

 『成り行きで考える』というスタンスでかつ『せっかくだから買える中で最も高い奴から選ぶ』という思考で行った場合、5択以内に収まっているので難易度はぐっと低くなっている。

 

 ナヴェガドールのロンデルは短期的に見れば3択を基準にはしているが、次ラウンド以降の都合も考えさせるシステムである。(話はずっと前の項目に戻るがロンデル”8”マスと”3”マスまで進めるは最大公約数1である。『最速で恩恵取るしかない!』 と決め打ちしてもどこで2マス移動をどこでするか?という考えどころは残る。9マスだとこうはいかない)

 

 こういった特定の思考をするプレーヤーの考える量を増やすルールはボードゲームのあらゆるところに組み込まれている。探してみてはどうだろうか?

 

さいごに

 最初は気を使いながら恐々と書いていたのですが、結構スムーズに書き進めていつの間にやら午前4時。他にも色々思いつくのですが、今日のところはこのあたりで。つまらない原因と向き合う、ネガティブな印象の話題でしたが、『あの時こういう事考えて改善してたなぁ』と昔を思い出しながら書く事ができました。 至らぬ文章ではありますが、何かしらゲーム作りの参考にでもなるところがあれば幸いです。 

 

 明日は23日目。”締切に締めころされる話”だそうです。

 

ゲームを『ルールの足りない未完成品』にしないために意識する3つのコト

 初めまして、Biblio Games 古瀬 和人と申します。 この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2017 21日目の記事となります。

 

はじめに

 シンプルなボードゲームは入れられるルールの量がそもそも少ない。何の考えもなく作ってしまってはルールの足りない未完成品になってします。(このあたりは去年のアドベントカレンダー するめデイズさんの記事「ルールの量」と「面白さ」の関係について を参照。)でもシンプルだけど奥が深いゲームを作りたい。そんな場合はどうすればいいか? 今回の記事ではそんなことを考えてみた。

 

 

1.ルールに複数の役割を持たせる

  引用する事に恐れ多さを感じるのだが、宮本茂さんの有名な言葉に、『アイデアというのは 複数の問題を一気に解決するものである』というものがある。理屈上、一つのルール(アイデア)に複数の仕事をさせてやれば、ルールを減らしても十分に機能させることは可能である。

 これは理想論であるが、以下の3つのコツを意識する事でそれに近づくことは可能である。

 

  ①ゲームの核の部分に複数の役割(狙い)を持たせる事 

  ②アイデアを思いつくのではなく、思いついたものがアイデアか確認する事 

  ③”全部”ではなく”複数”であることを忘れない事。 

 

 例えば、去年の記事の第2段落 課題を設定しようで BAG-GAIの核であるアイデアを採用した3つの理由を書いたが、これも3つの条件からアイディアを導き出したのではない。もちろん適当に思いついたものではないが、各条件から発想を広げていき、思いついた全ルールの長所を評価した結果、その新鮮さも含めてそのプレイ間を気に入り、(同時にじゃじゃ馬さに不安は感じながらも)ゲームの核として採用したのだ。

 

 また、一個でも多くの項目に興味を持つ事が ③”全部”ではなく”複数”であることを忘れない事。 のコツである。3つチェックポイントを知っていてそれをすべてクリアするより、10個知っていて半分クリアする方が良いゲームができる。(もちろん優先順位というものがあるのでそこまで単純ではないが)

 

 ゲームデザイナーの仕事に左右されるゲームの項目は想像以上に多い。視認性や見た目といったグラフィック担当者の担当領域ですらゲームデザイナーが意識しているかどうかで差は出てくる。僕の過去作の場合だと、『カードに書くパラメータやテキストはどれくらいなら難しく見えないか?』、『カードが重なってイラストが見えない”手札”より全員がいつでも見れる”場”にグラフィックの勝負所を持って来よう』といった事を考えていたりする。

 

 テストプレイ後の改良についても基本は同じである。現在、採用している各ルールがどんな役割を担っているか、どんな弱点があるか把握しながら組み替えていく。

 

 ただ、ルールを一か所いじると多くの場所に影響が出るのでそれを把握する必要がある。テストプレイして確かめる以前に、フィードバック(ルールが勝っている人に味方するか負けている人に味方するか) や フローステップ(感情が動くまでにやらなければならない選択及び動作の数)が増えすぎていないかぐらいは頭の中で考えておくと開発が少しはスムーズに進むように思う。

 

 シンプルなゲームを目指さないにしても 自分の採用した各ルールにどういう意味があるか考えることはゲーム改良の第一歩である。考える習慣がつけば、少なくとも ”解決策によって生じた新たな問題”について考えてしまったり、”簡単になるように”といった理由で元々の良さを消してしまう事は避けることができる。

 

2.新しさは最良のものを一つだけ入れる。

 自称シンプルなゲームには”既視感”を感じるものが多い。ゲームを成立させること自体に精いっぱいで”差別化”や”個性”をつけるためのルールが足りていないからだ。シンプルなルールの場合、個性や新鮮さといったものを後から付け足すことは難しいので核となるアイディアがどれだけ個性的か?そしてそれをどれだけうまく提示できるかが重要になってくる。

 

 僕の場合、新鮮さを印象付けたい部分以外はむしろ普通なルールを採用するように注意している。今までにないルールは、同じ複雑さの既にプレイしたことのあるルールに比べてゲームを把握しずらいという弱点がある。そして、非常に都合の悪いことに”新しい”や”シンプル”という誉め言葉はそのルールがもたらす面白さを十分に堪能できた人の口からしか出ないのだ。 

 

 初回から楽しめる事がシンプルなゲーム最大のアドバンテージである。それを守れないなら素直に1段階難しいものにした方が良いだろう。

 

3.メリハリを意識する

  初回から面白いことはシンプルなゲームの最大の長所である。しかし、それは”飽きやすさ”、という短所と紙一重でもある。

 これを回避するための一つの方法は、ゲーム内の各ラウンドで意図的に違う印象を持たせる事である。メリハリを持った5ラウンドで構成されるゲームを3回するのと 似たような状況を15ラウンドさせられるのでは、大きく意味が変わってくる。

 

 また、そもそも論として、入っている面白さにあった尺で終わることも重要である。

 

 ・序盤が常に同じなら序盤が終わった状態からゲームを開始できないか?

 ・意味のある思考のなかったターンがないか

    (使えるカードがないのでドローして終了等)

 

 といったことを考え、面白い部分を増やすことも有効である。公平性や運による揺らぎを意識してなのか”人数分のラウンド”をさせようとするル人をたまに見るが1ゲーム5分以内で、リプレイ性に自信のある場合を除きやめておいた方が無難であると思う。

 

さいごに

 ボドゲカフェでカタンがリクエストされ、初体験の大学生がなんだかんだプレイしている。そんな状態をちらほらと目にする今の日本において、ルールの足りない簡単なだけのゲームの価値は落ちていく一方だろう。

 簡単なだけではいけない。この状況下で、”シンプルで面白い”、”シンプルだけど奥深い”といった着地点を目指す事は難しい。しかしそれでも、”最も面白い部分をストレートに楽しませることができる”という意味で挑戦する価値があると考えています。

 

 至らぬ文章ではありますが、何かしらゲーム作りの参考にでもなるところがあれば幸いです。 

 

明日は22日目 円卓Pの記事ドミニオン発売10周年を前にデッキ構築の歴史を辿る・前編です。

 

 

 

ゲームが面白い、楽しいとは何か? 

面白い、楽しいの定義

 

 ゲームが他のエンターテインメント(漫画、映画、小説等)と最も違う点はプレーヤーが自発的に行動し、展開に影響を与える点である。

 

 その行動というものを細分化してみると以下のような4ステップのループから成り立っている。

 A ルールや状況を認知する。

 B Aに知識、記憶を加えて、判断する

 C 操作する

 D ゲーム(あるいは現実世界)から反応がある⇒Aに戻る

 

  その上で

 

  • 面白さ ⇒ A~Cのステップにおいて丁度いい課題が設定されている事
  • 楽しさ ⇒ Dにおいて優れた反応がある事

 

と定義してゲームデザインをしたり、批評したりしている。

 

 

面白い課題の分類

  上記の4Stepの観点からゲームの難しさを羅列していくと以下のようになる。これらを組み合わせつつ、適切なハードルの課題を作ることが面白さを作るという事ではないだろうか?

A 認知

 A-1 判別しにくい表現がされている

     見た目がかなり似ている絵の神経衰弱、視覚以外の五感を使う等

 

 A-2 情報だと認識しづらい情報がある

        謎解きのラスト謎等

 

 A-3 全ては把握しきれないため、重要度の高い要素を選ぶ必要がある

 

B判断

 B’ アクセスできない情報があるからわからない

   B-4 だからわからない

   B-5 相手の考えなんてわからない(=読み)

   B-6 非公開情報があるからわからない

   B-7 記憶しきれなかったのでわからない

   B-8 知識不足のためわからない

 

 B’’ 情報があっても正解に至る事が出来ない

   B-9 複雑すぎて正解に至れない

    B-9-1 長期的な展望を持たなければならない。

    B-9-2 変数(あるいは評価軸)が多い

    B-9-3 選択肢(あるいはその組み合わせ )が多い

    B-9-4 単純に複雑な計算が必要である。

   B-10 時間制限のために正解に至れない

   B-11 発想の転換が必要で正解に至れない

      これはA2と同じかもしれない。

   B-12 創作能力等を問われる

       大喜利ストーリーテリングなど

 

C 操作

 C-13 精密な操作をすることが要求される

 C-14 単純に体力(スピード、パワー、スタミナ等)を要求される

 

優れた反応に関して

 

 優れた反応に関してはまだ考えがまとまっていない。ただ、今のところは主に以下の4つをチェックしている。

 

 1.プレーヤーが自分でゲームを動かしているという感覚を持てるか?

  (ドローだけして終わるターンなど選択の余地のない状態が無いか?)    

 

 2.ゲーム展開に山場があるか?

    いつも同じ反応だと飽きてしまう 

 

 3.劇的なことが起こるか?

    口に出てこないものは劇的ではない。(「ずるい」とか「うわー」とか)

              BIG(大きい),NEW(新しい),FREE(無料),MORE(もっと)が強力

 

 4.ワンパターンな行動が最適解になってしまっていないか?

BAG-GAI デザイナーズノート

前置き

 

   Biblio Games古瀬 和人と申します。この記事はBoard Game Design Advent Calendar 2016  20日目の記事となります。遅れてしまって申し訳ありません。

 今回の記事の内容はBAG-GAIという東京ドイツゲーム賞に送ったゲームのデザイナーズノートになります。(元々は”そのルールは誰に味方するか?”というタイトルでフィードバック当たりの事を書こうとしたのですが、どうしても考えがまとまりませんでした。)

 ゲームをどういう流れで、どんなことを考えて作ったかを覚えている限り書いてみました。テストプレイに入ると数値等のゲームをプレイしないとわからないことが圧倒的に増えるのでアイディア出し から セルフテストプレイまでを書いていきます。

 


第2回東京ドイツゲーム賞2次審査 - BAG-GAI

 

1 頭をアイディアを思いつく状態にしよう

 僕は去年からtwitterのタイムラインを見ながらアイディアを出すという事をやっていました。理由はしのうじょうさんの4日目の記事でも紹介されているしりとりを使った方法とほぼ同じです。ゲームと掛け合わせるための言葉を見つけるためです。


新しいアイデアのつくり方 | 高橋 晋平 | TEDxTokyo

 

しりとりとに比べてよいと思う部分は

①モチーフ的なお題だけでなく、システム的、体験的なお題にも出会うことができる

②そのまま軽くアウトプットできる。(パクられるリスクを気にしなければ)

 →10個に1個位人から反応が返ってきたりしてモチベーションが保てる。

 

といったところです。逆に悪い部分もあって

 ①周りの人間が興味を持っていることしかお題に出てこない。

  特にゲムマの前一か月にやると他サークルと被りまくる。

 

 やってみた結果の例が大体こんな感じですね。今回のBAG-GAIの企画はtwitterを見ている時に出たものではありませんでした。でも、これをしていた当時とやめてしまった今では頭のコンディションがかなり違うのを感じています。インプットしようとする意欲やアウトプットのスムーズさには繋がったんじゃないかなぁと思います。

2.課題を設定しよう

 このゲームはどんなゲームなのか?そのイメージを作者が持っていないとゲームはどっちつかずの中途半端なものになってしまいます。ゲームの課題≒ゲームの立ち位置を早い段階で決めることは重要です。

 BAG-GAIの場合、”1990年代らしい競りゲームを現代の日本でどうプロデュースするか?”という課題を設定しました。

 その上で僕が企画したのが「2段階の競り(欲しい範囲の選択→値段の決定)」でした。主な理由は以下の通り。

 

 何を考えるべきゲームなのか? はしっかりと提示する

  競りゲーは難しいとよく言われるます。でも僕は必ずしもこれが正しいとは思いません。実際は難しいというよりは何を考えるべきかをカジュアルプレーヤーにうまく説明できてないように思います。

 多くの競りゲーは「いくらで買う?」という質問をいきなり人に投げかけている。しかし、その質問に答えるには

 

①.最終的にどういう形の勝ちを目指すのか

②.その上で自分は何が欲しいのか?

③.対戦相手はどうか?

 

 を考えなければいけません。これは少し不親切ではないでしょうか?

 僕はこの3つのステップを考えていく所に1990年代的なゲームの良さがあると思います。相手の思惑を考えることを重視し、純粋にそれを楽しむようなイメージです。 ボードゲームを遊ぶ人が増えてきている以上、この思考の流れを丁寧に説明するゲームデザインやインスト技術には価値はあるのではないでしょうか?

 

 得点計算をシンプルな物にして①をわかりやすくした上で

 ・まずは②に該当する「何が欲しいの?」という質問をぶつける。

 ・対戦相手と範囲が被っている事を意識させ、③の相手の思惑を意識させる。

 

 と流れを2段階に分けてやれば、少しは伝わる人が多くなるのではと考えました。

 

 

 でも、うまくやろうとすると難しいゲームを目指したい

  個人的な好みの話になるが、やっぱりゲーマーがやって楽しいと思えるゲームを作りたい。(なぜなら作者である僕は何度もこのゲームをプレイしなければならないからだ。)そこでゲーマーが自然と2段階の競りを一度に考えるようにした。

  BAG-GAIは範囲を選ぶ状態から相手の思惑(や金銭状態)を考える事が十分にできるように、そしてそれが楽しくなるように複雑さを設定しています。難しいことが考えられるプレーヤーには難しいことを考えてもらいましょう。

 

 

 体験としての楽しさを強調する

  お買い物感が楽しい”という感想を街コロやドミニオンといったゲームをプレイしたプレーヤーからよく聞きます。他の作者とゲーム作りの話をする時も”お買い物感を意識してみた”という話が何度か出たことがあったので少なくとも僕の周りだけの現象ではないらしい。

 

  ところで、多くの競りゲーのモチーフである競り(オークション)は言ってしまえば特別なお買い物です。実はお買い物感を感じるゲームとしてのポテンシャルはあるんじゃないか?競り勝った人に『お金払いすぎたかなぁ』とネガティブな事を言わせてる場合じゃないんじゃないか?

 実際、かなりライトユーザー向けな競りゲームである絨毯商人でなら”お買い物してる感じが楽しい”という感想を得て連続でプレーされた状態を何度か見たことがある。まぁ、これはさすがに局所的な現象な気もするけれど。

 

  握り競りを『買えた、買えなかった』を一喜一憂する遊びとしてとらえて、わかりやすい魅力のあるゲームとして表現できないだろうか?

 

3.ルールの影響を考えよう

  上に書いた3つの理由から ①順番に自分の欲しい範囲を選ぶ→②同時に一個当たりの値段を宣言する という大枠ができた。しかしセルフテストプレイにから抜け出すには解決すべき問題が2つあった。 その一つがお金の流れである。選択肢を十分に用意させるためにはプレーヤーが使ったお金を即座にプレーヤーに返す必要があった。さて誰にどうやって渡すべきだろう?

 

 多くの競りゲームと同じように、このゲームでは競り勝った人が商品を自分で宣言した値段で買う事でゲームが進んでいく。ネガティブな表現をすれば”競り勝って商品を手に入れた”という点において勝利に近づいたプレーヤーだけに”資金が減る”というペナルティーを与えている。結果、このラウンドで競り勝ったプレーヤーは次のラウンド以降に使える資金が少なくなる。(=次のラウンドで競り勝ちにくくなる)

 

  この流れは”物を競り落とす”という体験をある程度満遍なく経験させる事を保証してくれる。その上、ペナルティーとしての気分の悪さはかなり少ない。物を買うときお金が減るのは当たり前の事だし、その値段も自分が宣言したものだからだ。”体験としての楽しさ”を課題として設定している以上この流れは残したい。

 

 もし競り勝った人にもお金をあげてしまったらどうなるだろう? おそらく複数ラウンドに渡って一番良い商品を取ってしまう状態になってしまう。そういう考えから、競り負けた人に味方することでゲームの均衡状態を保つ事にした。

 

 また、お金の渡し方は競り勝った人の払った金額を宣言した金額で買えるというルールにした。これは、①ルールや処理を単純に保つ、 ②相手の思惑を考える機会や楽しさを増やす ③範囲決定時に ”全部” を宣言するという プレーヤーがしてみたくなる手の有用度合いを上げる。 ④お金を一気に稼ぐという体験を追加できる ⑤多くの人の状態が動く(=退屈しない)といったことが理由です。

  

 あまりこだわりすぎると頭が固くなりますが、一つのルールで2つ以上の良い効果を得るのがシンプルなゲームを作る上での理想です。少なくとも一個の問題を解決して他の問題を引き起こすようなルールは採用しないようにしましょう。 

 

4.理解しやすくしよう

 もう一つ問題になりそうだったのは選択肢の多さである。 動画に映っている状態では8つの商品が並んでいるが、この時点では10個の商品が並んでいた。さて、この時点で範囲の選び方は何通りあるだろうか?(選ぶ商品の数は連続した1個以上10個以下とする)

 

 …55通りである。これを一々見ていたら大変なことになります。単純に並べる数を減らしてやるのがセオリーですが、”一気にたくさん競り落とす”という体験をさせるためにも 多様性を保つためにもあまり数を減らしたくない所です。

 

 そこで、魅力的な部分をを使って見えやすくする事にした。かなり昔の記事にも少しだけ書いたが人間は5~9個の塊でものを認識している。そのため、”同じ色の塊” や”大きい数字の塊”は自然と探し出すことができます。ゲームの得点計算としてセットコレクション や マジョリティー等同じ色を固めて取れることに魅力を感じる方式を採用することで状況を認識しやすいようにしてみました。

 

 最終的にはテストプレイの結果、ゲームの感覚を掴めていない1ラウンド目から商品を10個並べた状態でゲームをすると事故る確率が上がるということが分かったため商品の数を8個まで減らしています(選択肢で言えば36択ですね)。しかし、前のラウンドで場に残ったお金を置くBANKという場所を両端につけ、場所が10か所になる状況は死守しています。

 

 今回のように塊を意識させる事をゲームデザインのタイミングで考えることは非常に稀である。ただ、手札枚数など選択肢の数を設定する上でこの5~9個の塊という感覚は有用性が高いと思っている。

 例えばプレイしやすいゲームを作りたいのであれば、塊を5つ以内に抑えれば良いだろう。(僕の個人的な経験則的には6ぐらいまでなら大丈夫っぽい)また、逆に10択を十分に超える選択肢や要素を盛り込めば状況を5~9個の塊にして認識するところから楽しむゲームを作ることもおそらく可能だと思います。

 

最後に

 長い文章となりましたが、最後までお目通しいただきありがとうございました。

 今回のBAG-GAIはかなり安産でしたがそれでも最初の1プレイ目はイマイチでした。ゲームは想像したりセルフテストプレイで想定した通りには動きません。今回の場合だと、思った以上にお金を出し渋る流れになったり、展開が単調だったり。

 

 いろいろ書いてきましたが一番重要なのは 動く状態になったら人に見せることです。おそらく最初の一回は落ち込むことになるでしょうが、それは必要な一回です。色々考えて、何度も試して面白いゲームが出していけたらなと感じております。