ビブリオゲームズBlog

自作ボードゲームや遊んだボードゲームのことを書いていきます

答えが明確すぎてつまらないゲームを面白くする9つの方法

1.面白くないゲームにも面白さは眠っている(前置き)

 極端な例として2×2マスの○×ゲームを思い浮かべてみよう。これはゲームだろうか? おそらく、ゲームではなく、先手が(必死に負けようとしても)勝つただの作業になってしまっているだろう

 

 ここまでひどくはなくとも、作ったゲームが『何をやればいいかが明確すぎる。面白くない』と言われてしまう事はある。ここで難しいのは面白くないゲームが面白くなる見込みがないとは限らないというところだ。

 

 例えば、上の○×ゲームを複雑にした五目並べやその発展形である連珠は十分に面白い。これは、縦横斜めいずれかにXマス並べたら勝ちというルールが ①非常に理解しやすい、②実力差が出るテクニック(先読み、相手を止めつつ自分の手を進める手を考える等)がある、勝者が決まった時に誰が見てもそれがわかる 等の点で非常に良いからだ。

 

 そう、上の2マス○×はゲームではないにせよ、ゲームとしてのポテンシャルは持っているのだ。同じように作ってしまった『明確すぎて面白くないゲーム』にも実は面白さのポテンシャルが眠っているのかもしれない。残念なことにもちろん無いかもしれない。

 

 前置きが長くなってしまったが今日の記事は『眠っている気がする』と思った時ように『ゲームをわからなくする方法』の大枠をまとめたものである。

 

2.ゲームをわからなくする9つの方法

鎌倉想像工房 |ゲームをつくるとは最適解の消失である

 2年も前の記事ですが『ゲームにはわからないが必要である』という事を書いた良い記事。

 この記事でいうところの最適解を無くす方法(僕の言葉でいえば導入すべき『わからない』)は大きく分類すると以下の9個しかない。

  1. だからわからない (ダイス、山札等の乱数発生器)
  2. 他人の思考なんてわからない(格ゲー等の読みあい、嘘等)
  3. 情報不足でわからない(非公開情報)
  4. 記憶しきれないのでわからない
  5. 知識不足でわからない(クイズ、定石)
  6. 複雑すぎてわかるに至らない
  7. 時間がないためわかるに至らない
  8. 動作が精密である事が要求されるため、うまくかない
  9. 番外(ゲームは分かるが続きのストーリーがわからない)

 

  単純に言えば、これらの要素を適切に取捨選択する事が重要だといえる。○×ゲームの亜種として製品になっているものでいえば、②相手路線で相手の置く場所を予測すれば妨害できるもの⑥複雑路線でルールを追加し、盤面を大きくしたもの、⑧動作路線で輪投げと合体させたもの等がある。もちろん、作るゲームのターゲットやプレイ感、基盤となるシステムとの相性を考えて何を加えるのか、どう加えるかを考える必要がある。

 

 もちろんいきなりは難しい。僕の場合は、自分の使おうとしているゲームシステム(≒ジャンル)がどのわからないを基礎としているかを把握する事から始めた。

 アナログゲームのジャンルでいえば、

  • ダイスは①運
  • ブラフやバッティングは②他人
  • ワーカープレイスメントは②他人⑥複雑
  • 記憶ゲーは④記憶
  • 人狼系は③情報②他人、状況により⑦時間
  • ハグルは③情報⑦時間、作者により⑥複雑、参加者により②他人(嘘等)

 を含んでいる。 デジタルゲームでいうならアクションは⑧操作をベースに⑦時間、他の娯楽でいえば早押しクイズは⑤知識⑦時間あたり。

 ゲームをわからないという観点から分解してみていきましょう。『ボーナンザの順番固定の手札はぷよぷよの予告スペース(ネクネク)に③情報のわからないを追加したものだ。山札の亜種としてこのゲームに使ってみよう』とか『ファウナというゲームはルーレットの①運を⑤知識に置き換えたゲームだ。他のギャンブルゲームにもクイズ要素を入れられないか』とか考えながら楽しく遊んでいればいいんじゃないかなぁと

 

 あとがき&次回予告

 『全くもってわからない』のも何をしても報われないという意味で作業となります。調度いい塩梅が大事って事ですね。

 ダイスゲーで『運すぎてわからない』場合は、振り直し等で予測しやすくする。 エリアマジョリティーで『相手がどこに行くかわかりにくすぎる時』はエリアごとに点数差をつける事で思惑を予測しやすくする等、9つのわからなすぎるを抜かずにマイルドにする手法はいくつかあるようです。

 

 考えがまとまり次第記事にします。