ビブリオゲームズBlog

自作ボードゲームや遊んだボードゲームのことを書いていきます

カードゲーム制作の基本1:ドローの強さ

 ドローするためのカードは非常に多くのTCG、テキスト系カードゲームで採用されている。理由としては

①ゲーム進行による選択肢の減少を防げる

②コンボデッキ等特定のカードを引かなくてはならないデッキを助けるという効果がある

あたりだろうか

 

 ただ、(主に同人の)カードゲームをプレイしていると強すぎるドローカードに出会うことがある。 そして多くの場合、戦術性、競技性という点で面白さが減少していたり、運ゲーと言われていたりして正直ちょっともったいない. そこで今回は自分の頭の中の整理もかねてその強さを理由つきで説明していく.

コスト無し複数枚ドローの強さ

 MTGにAncestral Recallというカードがある。その効果は『コスト1 カードを三枚引く』というシンプルなものである。 しかしこのカードはPower9(マジック黎明期におけるあまりに強大な力をもった9枚)の一角、つまりは非常に強すぎて禁止カードになっているのだ。

 

 この強さを説明するために、共通山札を使う架空のゲーム『ボクシング』の開発過程を考えてみよう。

 このゲームでは 手札にあるカードはノーコストで何枚でも使う事が出来る。開発はカードの強さを評価しながら進められており、『右ストレート』という威力10のカードが山札全体の平均的な強さと判断されているとしよう。 ここに『セコンドの指示』という『山札から3枚ドローする』カードを1枚だけ追加した場合、このカードは右ストレート何回分の威力だろう?

 

 単純に考えれば、右ストレート3発分である。その上、コンボが出しやすくなる、選択肢が増える等のメリットまで考えれば5~6発分にはなりえる。非常に残念だがこのゲームに関していえば、『セコンドの指示』はボツにした方が良いだろう。もし、あなたのゲームがノーコストでカードを使えるなら同じことがいえる。

 

カードレベルでの調整

 逆にいえば、コストがある場合は調整可能である。上で例に挙げたMTGの場合は、カードを使うのにコストがある。なのでコストを4に上げて調整した3枚ドローカード(集中)は存在する。また、ドミニオンの鍛冶屋はアクションポイントを消費する上、ターンの最後には手札がリセットされるので使用禁止になるほどの強カードにはなっていない。

 また、遊戯王において強欲な壺(カードを2枚引く効果)は禁止カードだが満たすべき条件やデメリットを付けた下位互換のカードは存在する。

 

ルールレベルで調整を試みる

 ゲームのルール上、カード消費が激しい、特定のカードを絶対に手に入れさせたいといった理由でドローカードを採用しようとしているなら、ルールレベルでもっとカードが引けるように調整した方が良い。カードを作るときにシステムの弱点を意識する必要があると正直疲れる。

 従来のTCGに採用されているルールには以下のようなものがある

  • バディファイトにおいては1ドロー後に手札を1枚捨てればもう1枚引いてくることが出来る。他に単純に2ドローのカードゲームも多数存在する。
  • デュエルマスターズではダメージを与えられたときにカードを1枚手札に加えることが出来る。
  • MTGの統率者戦等では、手札とは別に常に使う事の出来る領域が存在する。また、いくつかのTCGのデジタルゲーム版では最初の手札に絶対に来るカードを設定することが出来るものがある。
  • 極端な例であるが、アルテイルにおいてはデッキは全て手札である。展開が同じになるのを解消するために、デッキの半分は全て手札もう半分は除外というルールを採用したTCGも存在する。
追記

 上に書いたことを当たり前のように知っている人でも、手札を消費せずに使える(≒捨て札から使える)カードは軽く見すぎてしまう事がある。

 例えばMTG獣群の呼び声というカードがある。これはパワー3、タフネス3のクリーチャー(ようするに中型の戦闘要員)を1回目はコスト3、2回目はコスト4で出すカードである。コスト3でこのようなクリーチャーを出せるという効果は大会で使うには少し物足りない。しかしテンポよく2回使えるという点が評価され多くのプレーヤーに使われた。

 

 何回でも使える場合、これよりもさらに強くなる。例えばMTGにブーメランという2コストの呪文がある。これに『使った後手札に戻ってくるようにできる』効果を追加したカード転覆は6コスト(正確には3コストで捨て札に置くか6コストで手札に戻すかを選択できる)である。

 

ロストレガシーレジェンドをいくつかやってみた その2

③宇宙の真理

 作者:寺島さん(遊星からのフリーキック

 場に伏せてある数字の合計が高いほうが勝ちという異色のルール。そのため通常5番のレガシーが42番になっている。

 ただ、レガシーを見つけた人がほぼ勝つ構成になっているので、プレイ感は通常のロストレガシーの範囲内だった。次やるときはレガシーを見つけずに勝つという事にチャレンジしたい。

 
人狼は眠らない

 作者 中村誠さん

 ジャンル:人狼入門

 

 ワンナイト人狼やシークレットムーンとはまた違ったタイプの人狼入門。

 プレイした感覚としては論理重視度は

 シークレットムーン > 人狼は眠らない >=ワンナイト人狼

 会話重視度は

 ワンナイト >> 人狼は眠らない >> シークレットムーン

 といった感じ。

 

 ⑤最終決戦

 作者:カナイセイジ

 ジャンル:2人用LCG(TCG好き用カードゲーム)

 

 1人16枚のデッキを使い戦うTCG風ゲーム。不死の心臓、ヴォーパルソードといった今まで出てきたレガシーを奪い合い、その能力を駆使しながら勝利を目指す。

 もはやロストレガシーではないが、TCGが好きなら絶対にやっておくべき。

 ロストレガシーレジェンドの4500円という値段は決して安くはないが、これとあと1個か2個気に入ったものがあれば買っていいんじゃないかと思う。

 

ロストレガシーレジェンドをいくつかやってみた その1

 秋葉原RPGショップにて行われたロストレガシー祭り2014に参加し、一足先にロストレガシーレジェンドを体験してきました。

 8個ゲーム全てをプレイできたわけでは無いですが、購入の参考になれば幸いです。

 

 ①偽典

 ジャンル:記憶系推理ゲー

 作者:転がる運命(さいころ)亭 まことさん

 

 通常のロストレガシーでは遺産(5番のカード)を探す事が勝利条件ですが、この偽典では遺跡にあるカードを全て当てる事が勝利条件。

 メモを取らない推理ゲームとしてはカードの種類が9種類と多く、展開に多様性があるので面白い。

 最初は記憶できるか不安だったが、①(カードが表向きで出てくるので)覚えておかないといけない事柄が少ない、②常に2択だからテンポよく進む、③ルールやカード構成がロストレガシーだからカードの記憶だけに集中できる という特徴により、記憶ゲーが苦手な私でも手軽にプレイできました。

 

 ②赤ずきんは2度寝る

 ジャンル:ロストレガシー+ブラフ要素

 

 混ぜては遊べない内容ですがルールはしっかりロストレガシーです。このバージョンの売りは裏向けカードによるブラフ要素。

 相手が裏向けに出したカードが勝利するためのカードなら襲撃して止めないといけませんが、もしかしたら罠(襲撃すると脱落)かもしれない。そんな読み合いのゲームでした。

 

 その2と写真はそのうち公開します

ゲームマーケットに向けて宣伝をしよう

 秋のゲームマーケットの情報もだんだんと出てきましたね.そろそろ早期入稿締切の頃かと思うので、サークル主催の方々はそろそろ制作から宣伝へとシフトしていっている頃かと思います.

 うちも半年前はどうしていいかわからず苦戦したので、宣伝に関して思ったことを書いていこうと思います.

 

 1.自分のブログの記事を更新しよう

 当ブログは4か月にわたって17回程更新しました.(ゲームデザインに関しての記事も含めて) 

 多く読まれた記事Top5は以下の通り.

  1. 予約開始
  2. ゲーム概要
  3. カード紹介その1
  4. モチーフ重視の説明
  5. コンポーネント完成

 予約開始はやっぱり強いですね.予約をした人が(自分はもう確実に手に入れられるので)紹介してくれるという二次的な効果も見られたので、初参加で数を売りたい場合は必須の気がします.(あと精神的にも楽です.)

 思った以上に効果的だったのが④モチーフ重視の説明 と ③で行ったジレンマの紹介(練習問題的なもの).逆にあまり効果がなかった印象なのは説明書の完全公開でした.

 文字主体の長い文章はやはり読む気にならないようです.絵を大目にサマリーがあるならそちらの方が良いかもしれません.

 ただ、どんなに頑張っても文章だけでは限界があるようです.うちの場合、『カードの内容』、『独特のジレンマ』を紹介したいという気持ちが強すぎて実際よりも運の要素が少ないゲームに伝わってしまったのが反省点です. 動画を使ってこの辺りをフォローするとプレーヤーとのずれが減りそうです.

 

2.twitterを使おう

 定期tweetは行わず、記事を書いたあとにその事を呟いていました. あとは予約締切まであと少し等の重要事項とか.

 宣伝効果以上に140字でゲームや記事の説明する経験はGM当日のプレイ卓でも大いに役に立ちました.(具体的には『歴史改竄』という言葉を使ったほうが興味を持つ人が多いという事を理解してカタログやその後のブログの記事、インストで全面的に出していくように軌道修正しました.)

 ハッシュタグは途中から(ゲーム全体に関わる記事に限定して)使い始めましたが効果がありました.たくさん種類があるので全部つけてしまったりもしましたが、#ゲムマ一つにして説明に文字数を使ったほうが効果的でした.

 

3.ゲームマーケットブログを更新しよう

 当サークルでは以下の通り3回更新をさせていただきました.

 ①書き込めるようになって1週間:ゲーム概要

 ②GM一か月前GW:予約開始+ルール詳細

 ③2日前:コンポーネント+持ち込み部数+ターゲット

 

 結論から言うと、かなり影響度は大きいです.更新当日にはゲムマブログの記事のリンクからこのブログに1日100~200のアクセスがありました.

  ただ、逆に月1以上の更新は必要を感じませんでした.あまり、長い文章を書いても情報収集の邪魔になるだけなので『短い文章+画像』を使って紹介し、具体的な事は自分のブログでというのが一番良いようです.

 

4.テストプレイ

 色々な宣伝をしましたが、一番影響が大きかったと思います.『○○さんが面白いと言っていたのを聞いて興味を持ちました』と言われる方もかなりいらっしゃいました.

 うちは前日が仕事で参加できませんでしたが、前日プレイ会なんかは特に効果的なようです.

ドロマイワークショップ 2014/08/03(その1)

 8/3は紀伊国屋 新宿本店で開催されたドロッセルマイヤーズワークショップへ行って参りました

 

 たった4時間という時間の中でゲームを一つ(正確にはルール部分+題名)を作ってしまおうというイベント. 多数決を使って全体で一個のゲームを作るのが特徴的なワークショップです.

 

 今回のテーマは『禁酒』.

 『この中に禁酒した事ある人いますか?』的な導入の質問をするも誰も手を上げない状態だったため、 今回はいきなり『何が一番重要だと思うか≒コンセプト』から開始.

(尚、これ以降の内容はゲーム作りに集中しているため全て記憶によるものです. 抜けや時間の都合で言えなかった自分の案等が入っているかもしれませんが予めご了承ください)

大枠(最も重要な事)決め

 1(健康などのための)禁酒関連

   1-1 感覚に着目した案

     ・飲めなくて辛い感じ

     ・わかっちゃいるけどやめられない

   1-2ゲーム内容(プレーヤーは誰で何をするのか)関連

     ・はしご酒しようとするアル中を捕まえる

     ・アル中を治療する

     ・隠れてこそこそ飲む

     ・同僚の誘いをうまい言い訳でかわす

 2 禁酒法関連

   ・密造酒を作って売る

   ・密造酒を作ってるやつを告発、逮捕

 3 その他

   ・酒が飲める年齢かどうか等

 

 先入観がなかったのか、良くも悪くも幅広い案が出た上で人の案の亜種が出てきた印象。

 

方向性決定

 大枠は『はしご酒しようとするアル中を捕まえる』に決まったがこれではまだいろんな解釈がある.

 そこで『①プレーヤーは何』、『②目的は』、『③阻害要因は?』の3つの設定を考えていく.

 

例えばこんな感じ

 

<うちの案>

 ①プレーヤーアル中かつ医者.

 ②できる限り好きな種類の酒を集める.

  (移動は該当する店カードを出す)

 ③対戦相手の行きそうなところに自分の医者を行かせ、阻害

 (バッティングを避ける方とあてに行く方の両方をやるイメージ)

 

<多数決で選ばれた案>

 ①プレーヤーはアル中. 共通NPCあり

 ②できる限り好きな種類の酒を集める.

  (移動はマップ中を移動)

 ③医者を好きな方向へ動かし、阻害

 

<その他の案 組み合わせは忘れたので一気に>

 ①プレーヤーの立場(印象に残った順)

  アル中VS医者のチーム戦

  アル中

  医者

 

<全体的な感想>

 全体的に非対称のデザインが多かった印象. やっぱ2つの立場があると非対称の案出てきやすいね.(人狼とかスコットランドヤード人気の影響かな?)

 『バランス取るのが難しい』、『不満が出やすい(俺の実力じゃなく選んだ陣営の弱さで負けた!的な)』、『やられた事をそのままやり返せないため初心者の上達が遅い』という理由から非対称のデザインは作った事がないのだけれど挑戦しないのももったいないかなぁ?

 

②目的

 医者 :アル中全て捕まえる

 アル中:店を全て回る. 

     多くの酒を飲む(多くの種類を飲むほど良い等)

 

<感想>

 『店を全て回る』という目的が多かったけど、最後の一軒で待ち伏せするだけで積むなぁという印象. 

 そして禁酒というテーマどこへ行った! まぁ、何かを我慢するより景気よく得点する方が(カジュアルなゲームの範囲であれば)楽しいので正解なのだろうけど.

 

③阻害要因

 だいたい②の逆なので省略.この項目いらんかったんとちゃうかな?

 

 思ったより長くなってしまったので一旦この辺で.次はプロトタイプ作成、テストプレイ、改良です

 

このままボツにするにはもったいないゲーム案1:【家督相続】

ゲーム名候補:家督相続、家臣の進言

ジャンル:トリックテイキング

モチーフ:戦国大名家督相続(あるいは争い)

売り  :漢字+戦国武将で 和風テーマ好き+外国人狙い

    :さっくりと遊べるが、頭を使ったり、カウンティングをする事で有利に

作者:古瀬和人(Kazuhito Kose)

状態:セルフテストプレイ+1回

 

コンポーネント説明

5スート 切り札なし

カードには数字、武将の名前(赤の14であれば「玄」等)、絵が書かれている.

スートは名前の中のハイライトされている部分.(「玄」であればがスート)5の倍数のカードは「」のようにスートを2つ持っています.

 

14、10、8+、8、7、6、5(2枚)、3+(2枚)、3(2枚)、-3

 

ルール

準備

①カードを全員に配りゲームを開始します.(今のところ配りきりで端数に関しては非公開でゲームから除外しておきます)

 

各トリックの手順

①スタートプレーヤーはまず1枚中央にカードを1枚出します.

 モチーフ的には『これから家督を相続する武将』が決定します

②その後スタートプレーヤーも含めてカードをマストフォローで出します.「玄」が中央に出されたいるならば可能な限り『信』の字が書かれたカードを出さなければなりません.(フォローできない場合はどのカードでも出すことが出来ます)

 家督を相続しやすい人物は親の名前から一字継いでいます.

③フォローできた人の中で最も強いカードを出した人が中央のカードを得点として取得します.(8+というカードは8よりも少し強いカードです)同値の場合は後出し勝ちです.

 

④得点者が次のスタートプレーヤーとなり誰かのカードがなくなるまでゲームを続けます.

終了条件と得点計算

 誰かが最後の一枚を出したトリックでゲーム終了. 最も多く点数を取得した人が勝ちです.この時+は無視して下さい(8+は8として計算します)

 

あとがき

 ゲームとしては悪くない.数字の調整すれば十分面白くなりそう. 和風のかっこいい絵+カッコいい漢字がつけばいいんだけど、これ誰に頼むんだ的な…。

カードプールの作り方 

 同人で最初にゲームを作るならやはりカードゲームになることが多い.理由は

  1.  値段を安くする上で印刷所に頼むアイテム数を減らす事が最も効果的
  2.  イラストを売りにしやすい

 あたりだと思う.しかし、問題もある.思いついたものを全て入れてしまうとイラスト担当者の負担が上がる点である。そこで今回は『少ないカード種類でリプレイ性を上げるにはどうすればよいか』という切り口から自分がどのようにゲームを作っているかを書いていこうと思います.

 

最低限の種類数でテストプレイを開始しよう

 ゲームを面白くするコツは『ゲームの核』を把握する事にある。困ったことに最初からカード特殊効果を入れすぎるとこの核を掴みにくい.カード特殊効果好きとしてはこの段階で10枚以上案を思いついていたりするがここは一旦我慢したほうが良い.

 

まずは全てのカード効果を把握

 カードの能力を作るための2つの要素をリスト化する.私の場合、カードの能力は『要望』と『タイミング』の2つをかけ合わせて作る.(TCGやデッキ構築の場合これに『コスト』を加えてカードを作る)

 

流れを把握し、タイミングを羅列

カードの流れとゲームの流れを図に書く事で簡単に把握できる

 

クロノスレコードの場合 カードは

①手札⇒②テーブル(一旦公開する)→③ファイル

と流れていく.この番号を振った部分と矢印がそのままタイミングである.

 

つまり

 ①:手札にあるとき

 ⇒:手札から出したとき

 ②:テーブルにあるとき

 →:ファイルに入れたとき

 ③:ファイルにあるとき(=クロノスレコードのルール上、見えたとき)

である.クロノスレコードのルール上⇒、②、→は ほぼ同じなので

  A.カードが手札にあるとき

 B.カードを出したとき

 C.カードが見えたとき

の3つがあることがわかる.これに『褒めるべき時』を加えた4つがタイミングである.

 

 タイミングによって特徴が異なるのでそれを早い段階で把握しておく. 例えば、場にある時の能力(俗に常在型能力という)は正のフィードバック(現在有利な方をさらに有利にする力)が高いのが特徴である. 対してカードをプレイしたときの能力(俗にCIP能力)は予想外の出来事を発生させプレーヤーに驚きを与える事を得意とする.

 

褒めるべき事を羅列

 褒めるべきことを条件に能力が発動するようにするとプレイを気持ち良いものにできる. ただし、採用しすぎると有利な方がより有利になってしまうので、一番褒めるべきことに絞って採用するのが望ましい.

 クロノスレコードの場合、マジョリティーをとれている事に絞ることで最後のボーナスを常に意識しながらゲームが進むよう調整している.

 

要望(やりたい事、やるべき事)を網羅する

大分類から小分類へ分けて整理する.この時、どう考えてもボツなものも一応残しておく.(今後の発想のもとになることはあるので)

 クロノスレコードの場合こんな感じ

 1得点で有利

  1-1 即座に点数差をつける

   1-1-1 自分の点を増やす

   1-1-2 相手の得点を減らす

   1-1-3 このラウンドの点数を増やす

  1-2 カードの数値を増やす

   1-2-1 カードの点数を増加させる

   1-2-2 カードの点数を減少させる

   1-2-3 特定のカードの点数を増やす

  1-3 出目の操作

  1-4 その他

   1-4-1 マイナス点を回避する

   1-4-2 相手のプラス点を回避する

 2マジョリティーで有利に立つ

  2-1 枚数差をつける

   2-1-1 (自分の)カードを入れる

   2-1-2     (相手の)カードを抜く

  2-2 見え方を変える

   2-2-1 カードを移動させる

   2-2-2 シートを入れ替える

  2-3 自分のカードが上書きされないようにする

  2-4 カードを入れる順番を変更する

  2-5 その他

   2-5-1 シートを挿入する。

   2-5-2 シートを削除する

 3 勝つ

  3-1 特殊勝利

 4 ハンドアドバンテージ

  4-1 手札追加

  4-2 手札破壊

 魅力的な弱点を作ろう

 弱点は『使い方を考える奥深さ』や『逆手に取る発想で相手を出し抜く』といった楽しさを生む.上のリストは反対にすれば弱点のリストとしても使える.

 多くの意味を持つ面白いカードを作るコツは弱点と要望の交差するところを見つける事.

 例えば『場から手札に戻す』は2-1-1『カードを場に入れる』の逆なので普通に考えれば弱点だが、4-1『カードを手札に加える』としてみれば長所である. また『味方の点数は0となる』は1-2-2『カードの点数を減少させる』としてみれば弱点だが、1-4-1『マイナス点を回避する』としてみれば長所でもある.

組み合わせよう

 これで、最低72種類(18種類×タイミング4種類)の要望を満たすカード+デメリット付のカードを作ることが出来る.おそらく100は軽く超えるだろう. ゲームをシンプルにとどめる必要がないなら能力を2つ持つ(これもAND、OR、ANDORの3種類がある)等も考えていけばさらに広がる.

 

選定

 基本的には面白いものを優先で入れる方針で構わないがバランスや組み合わせると面白くなくなるカードには気を付ける事.

 上のリストは最終的にカードを選定するタイミングでも役立つ.近しい効果のカードはどちらかしか採用しないようにすればいい.

 また、明確な相性を持つカードを採用すれば使うカードによってプレイ感が変わるようにすることが出来る