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ビブリオゲームズBlog

自作ボードゲームや遊んだボードゲームのことを書いていきます

カードプールの作り方 

ゲームデザイン コラム カードゲーム(TCGを含む)

 同人で最初にゲームを作るならやはりカードゲームになることが多い.理由は

  1.  値段を安くする上で印刷所に頼むアイテム数を減らす事が最も効果的
  2.  イラストを売りにしやすい

 あたりだと思う.しかし、問題もある.思いついたものを全て入れてしまうとイラスト担当者の負担が上がる点である。そこで今回は『少ないカード種類でリプレイ性を上げるにはどうすればよいか』という切り口から自分がどのようにゲームを作っているかを書いていこうと思います.

 

最低限の種類数でテストプレイを開始しよう

 ゲームを面白くするコツは『ゲームの核』を把握する事にある。困ったことに最初からカード特殊効果を入れすぎるとこの核を掴みにくい.カード特殊効果好きとしてはこの段階で10枚以上案を思いついていたりするがここは一旦我慢したほうが良い.

 

まずは全てのカード効果を把握

 カードの能力を作るための2つの要素をリスト化する.私の場合、カードの能力は『要望』と『タイミング』の2つをかけ合わせて作る.(TCGやデッキ構築の場合これに『コスト』を加えてカードを作る)

 

流れを把握し、タイミングを羅列

カードの流れとゲームの流れを図に書く事で簡単に把握できる

 

クロノスレコードの場合 カードは

①手札⇒②テーブル(一旦公開する)→③ファイル

と流れていく.この番号を振った部分と矢印がそのままタイミングである.

 

つまり

 ①:手札にあるとき

 ⇒:手札から出したとき

 ②:テーブルにあるとき

 →:ファイルに入れたとき

 ③:ファイルにあるとき(=クロノスレコードのルール上、見えたとき)

である.クロノスレコードのルール上⇒、②、→は ほぼ同じなので

  A.カードが手札にあるとき

 B.カードを出したとき

 C.カードが見えたとき

の3つがあることがわかる.これに『褒めるべき時』を加えた4つがタイミングである.

 

 タイミングによって特徴が異なるのでそれを早い段階で把握しておく. 例えば、場にある時の能力(俗に常在型能力という)は正のフィードバック(現在有利な方をさらに有利にする力)が高いのが特徴である. 対してカードをプレイしたときの能力(俗にCIP能力)は予想外の出来事を発生させプレーヤーに驚きを与える事を得意とする.

 

褒めるべき事を羅列

 褒めるべきことを条件に能力が発動するようにするとプレイを気持ち良いものにできる. ただし、採用しすぎると有利な方がより有利になってしまうので、一番褒めるべきことに絞って採用するのが望ましい.

 クロノスレコードの場合、マジョリティーをとれている事に絞ることで最後のボーナスを常に意識しながらゲームが進むよう調整している.

 

要望(やりたい事、やるべき事)を網羅する

大分類から小分類へ分けて整理する.この時、どう考えてもボツなものも一応残しておく.(今後の発想のもとになることはあるので)

 クロノスレコードの場合こんな感じ

 1得点で有利

  1-1 即座に点数差をつける

   1-1-1 自分の点を増やす

   1-1-2 相手の得点を減らす

   1-1-3 このラウンドの点数を増やす

  1-2 カードの数値を増やす

   1-2-1 カードの点数を増加させる

   1-2-2 カードの点数を減少させる

   1-2-3 特定のカードの点数を増やす

  1-3 出目の操作

  1-4 その他

   1-4-1 マイナス点を回避する

   1-4-2 相手のプラス点を回避する

 2マジョリティーで有利に立つ

  2-1 枚数差をつける

   2-1-1 (自分の)カードを入れる

   2-1-2     (相手の)カードを抜く

  2-2 見え方を変える

   2-2-1 カードを移動させる

   2-2-2 シートを入れ替える

  2-3 自分のカードが上書きされないようにする

  2-4 カードを入れる順番を変更する

  2-5 その他

   2-5-1 シートを挿入する。

   2-5-2 シートを削除する

 3 勝つ

  3-1 特殊勝利

 4 ハンドアドバンテージ

  4-1 手札追加

  4-2 手札破壊

 魅力的な弱点を作ろう

 弱点は『使い方を考える奥深さ』や『逆手に取る発想で相手を出し抜く』といった楽しさを生む.上のリストは反対にすれば弱点のリストとしても使える.

 多くの意味を持つ面白いカードを作るコツは弱点と要望の交差するところを見つける事.

 例えば『場から手札に戻す』は2-1-1『カードを場に入れる』の逆なので普通に考えれば弱点だが、4-1『カードを手札に加える』としてみれば長所である. また『味方の点数は0となる』は1-2-2『カードの点数を減少させる』としてみれば弱点だが、1-4-1『マイナス点を回避する』としてみれば長所でもある.

組み合わせよう

 これで、最低72種類(18種類×タイミング4種類)の要望を満たすカード+デメリット付のカードを作ることが出来る.おそらく100は軽く超えるだろう. ゲームをシンプルにとどめる必要がないなら能力を2つ持つ(これもAND、OR、ANDORの3種類がある)等も考えていけばさらに広がる.

 

選定

 基本的には面白いものを優先で入れる方針で構わないがバランスや組み合わせると面白くなくなるカードには気を付ける事.

 上のリストは最終的にカードを選定するタイミングでも役立つ.近しい効果のカードはどちらかしか採用しないようにすればいい.

 また、明確な相性を持つカードを採用すれば使うカードによってプレイ感が変わるようにすることが出来る